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あんごうのやくわり

暗号の役割

海野 十三

烏啼天駆シリーズ・4

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,409 字 · 23 页

青空文庫

何のことだ。やっぱり金庫の中か。

四時間二十分という途方もない長時間の記録を樹てて、午前三時に、遂に大金庫は開いた。

「やれ、あいたか」

「あとは首領にやって頂きます」

三名人は精根を使い果してそこへしゃがんでしまった。

替って烏啼と碇とが前へ出て、金庫の中を覗きこんだ。

「あッ、あれだ」

「うん、やっぱりここに入れてあった。あけられるとは知らず、馬鹿な猫々だ」

「動くな、撃つぞ。機関銃弾が好きな奴は動いてもよろしい」

大喝した者がある。突然うしろで……

「しずかに手をあげてもらいましょう。これは皆さん。ようこそ御来邸下すった……」

五名の賊は、双手を高くあげてうしろをふりかえった。機銃を構えて猫背の肥満漢が茶色の大きな眼鏡をかけて、人をばかにしたような顔で、にこついていた。

「ちぇッ、きさまは猫々か、いっぱい喰わしたな」

烏啼は無念のあまり舌打ちをした。

「折角御来邸の案内状を頂いたのに、留守をしていては申訳ないからね」

「途中から引返したのか」

「とんでもない。拙者は原の町行きの切符を買っただけのことでござる」

「でも、確かに袋探偵は玄関から旅行鞄と毛布を持って出かけていったが……」