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あんごうのやくわり
暗号の役割
海野 十三
烏啼天駆シリーズ・4
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,409 字 · 23 页
念入りなスリ
午前二時をすこし廻っていた。かくべつ用はないから、ばあやさんには自分の寝室へ引取って貰って、彼もまた自分のベットを探しあてて、中へもぐりこんだ。
袋猫々は何も知らなかったが、彼が公園を出たあと三十分ほど経って、三人の男がこの公園の中へ駆けこんで来た。そしてさっきの格闘のあとの地面の上を嗅ぐようにして、しきりに何かを探し始めた。
彼らは一時間ほど探してから、三人鳩首して首をかしげ、晴れない顔付のままで公園から出ていった。
当夜、袋探偵が拾った折鞄は、烏啼天駆の義弟の碇健二の鞄だった。その中には烏啼にとって非常に重要機密なる書類もいくつかはいっていて、あの翌朝、袋探偵をたいへん喜ばせたものである。彼はその書類だけを鞄から抜きだして、彼が最も信頼するところの書斎の壁にはめつけの金庫の中にしまった。鞄の方は、硝子戸棚の中に入れて、鍵をかけてしまった。
彼は、烏啼に対しては、全然知らない顔でいることにした。しかし定めし向こうでは気に病んでいることと思われた。
念入りなスリ
袋探偵は、烏啼に関係ある例の鞄のことをしばらく忘れていた。
そのわけは、彼が過日八つ手のしげみの間の中で酔耳(というものがあるとして)を通して聞いた奇怪な事実の研究に没頭していたからだ。