轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ダーク・ミニスター
暗黒公使
夢野 久作
「新作探偵小説全集 全九巻」1933(昭和8)年1月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 214,561 字 · 420 页
けれどもその云い訳をする隙がもうないのだ。自分は誰に疑われてもちっとも怖いとは思わない。ただ狭山さんに白眼まれたら手も足も出ないようにされてしまう。こうなったからには最後の手段を執るよりほかに仕方がない……と……」
「最後の手段とは……」
「死ぬのを覚悟して仕事をする意味でございます」
「その仕事は何ですか」
「これから申します」
「お話しなさい」
「嬢次様は鞄の中から、貴方と、カルロ・ナイン嬢と、御自分と三人一緒に撮った写真の絵葉書を五枚ほど出して、羅馬字でお手紙を書かれました」
「その手紙は貴女見ましたか」
「はい。叔父に四時間ばかり……九時頃までこの家に帰って来ないように頼んでありました」
「叔父様は、そんな事を本当にすると思いますか」
「はい。叔父は頭がどうかならない限り嬢次様のお言葉を本当にしてくれるだろうと思います」
「……どうしてそんな事わかりますか」
「今日曲馬場で、嬢次様の行方を探すために懸賞の広告が出ました。あれは貴方がお出させになったのでございましょう」
「そうです。わたくしです」
「その中に嬢次様のお写真の事は一つも書いてございませんでした」
「その代りに、表の絵看板を見るように描いておきました」