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きにのぼったこども

木に上った子供

小川 未明

「少年倶楽部」1927(昭和2)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,835 字 · 8 页

青空文庫

」と反対した子供は、それを打ち消して叫びました。

みんなは、二人のいうことをおもしろがって聞いていました。そして、笑ったり、また、ほかのことを話したりしていました。

「だって、星が、木の頂についているじゃないか。」と、前に木が天についているといった子供がいいました。

「そう見えたって、ついていないのだよ。」と、反対した子供は、あくまで反対をしました。

「ほんとうに、今日の空は近いな。」と、ほかの子供の一人がいいました。

「先生が、秋になると、空気が澄むから近く見えるのだといったよ。」と、木の頂が天についていないと反対した子供はいいました。

「だってあんなに、近くなって木の頂について見えるじゃないか? 盲目!」と、天と木とがついていると、最初いった子供が怒りました。そして、二人は、けんかを始めました。

「おい、けんかをするない。よせよ!」と、その中で、いちばん大きな子供がいいました。

「あのうちに、人間の住んでいる星があるんだってね。」と、ほかの子供が、口をはさみました。

このとき、辰吉は、おばあさんが、人が死ぬと、みんな天に上って星となるのだといわれたことを思い出した。