轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みかいなふうけい
未開な風景
宮本 百合子
「婦人公論」1927(昭和2)年9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,478 字 · 16 页
八階から段段段、資本主義商業の色さまざまな断面図。
――まだここから飛び降りた奴あねえ。
「もっとこちらへいらっしゃい」
音や人目や色彩や、それが余り繁いので、つまり無いと同じ雑踏の中で油井はみのえの手を執り、自分の傍へ引きよせた。油井が大人の男であるのがみのえの満足であった。彼はけちな、直き赭い顔をする中学生ではない。母親の横顔はつい三四人隔てて見えているのに、実際油井の握って離さないのは自分の手だという歓びが、みのえを恍惚させた。油井は、髭と瞼が西日に照らされるような顔付で、そっと訊いた。
「くたびれたの」
みのえは黙っていいえをした。
――
「さて――これから油井さん貴方どうなさるの」
往来へ出て、みのえは急に空気が軽くなったような心持がした。
「わたし、どうせここまで出たついでだから浜町へ廻って行きたいんだけれど……」
お清は、みのえを見た。
「叔父さんのところへ来るかい」
「いや」
油井が、みのえの方は見ず、
「じゃ、奥さん行ってらっしゃい、私、みのえさんを家まで送って行きますから」
と云った。
「そうですか、じゃそう願おうかしら」
「丁度いい。来ましたよ、築地両国でいいんでしょう」