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みかいのはな
未開の花
宮本 百合子
「婦人公論」1937(昭和12)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,052 字 · 6 页
なければならず、更に大きい背景として当代の男女を活かし殺す時代というものの歴史性の強い作用がある。現代が、女としてのぞましい結婚のむずかしい時代であること、のぞましい結合に障害と破壊との加えられ易い時代であることは明らかなことである。けれども、子供はもってよいというひとが、どうして、その前の、男女の結合の形態を、社会常識の上でもっと広やかで自然な、人間的な、相互交流の形に高めようとする情熱を感じないのであろう。その情熱ぬきに、子供の側から見れば、それが多くの場合歴史的な桎梏となっている今日の親子関係の旧套を、そのまま肯定しようとするのであれば、その間には腑に落ちかねる飛躍があると思う。貞操の観念に対して女は久しく受動的であり、無智であったことから悲劇をくりかえしているのであるが、母性の神秘化、抽象化にもおそろしいものがかくされている。「未完の告白」を作者はジュネヴィエヴの人間性のどのような発展において大きい社会的意義のある彼女の抗議を完結させるのであろうか。〔一九三七年一月〕