轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
すえっこ
末っ子
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1957(昭和32)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,564 字 · 55 页
――それは狭い横丁にあり、九尺間口で、奥は四帖半が一と間しかない。表の庇の上に清鑑堂という額が掲げてあるが、「堂」などというのはおこがましいはなしで、店に並べてある物を見ると、こっちが恥ずかしくなるくらいであった。
「こいつとすっかりうまが合いました」と平五は云った、「いちど木挽町のうちを見せたんですよ、そして品物のいわれもうちあけたところ、清兵衛は清兵衛なりに欲を出したんでしょう、ことによると掘出し物にぶっつかるぞと思ったようすです、……なぜ笑うんですか」
「笑ったわけじゃあない」と米良は口のまわりを撫でた、「まあ、あとを聞こう」
「酒が来たようですよ」
くにと召使とで食膳をはこんで来た。平五は飲まないから、米良だけ盃を持ち、妻の酌でゆっくりと飲みだした。清鑑堂とのつきあいはほぼ十年に及んでいる、と平五は話し続けた。そのあいだに、清兵衛は幾たびか大きく儲けた。玄蕃が眼ちがいで買った物の中から、或るときは市で、また或るときは同業なかまで吃驚するほど高値に売れる品があった。面白いことには、それがその品の正しい値段ではなく、一種の(たとえば玄蕃のような)客に向けるのに適しているためか、現にそういう客から注文されているらしい、ということであった。