轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ほんしゅうおうだん つうかいとほりょこう

本州横断 痛快徒歩旅行

井沢 衣水

「冐險世界 第四卷第拾參號」博文館、1911(明治44)年10月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,069 字 · 29 页

青空文庫

やがて眼界頓に開けた所へ出れば、重畳せる群山波浪のごとく起伏して、下瞰すれば鬼怒の清流真っ白く、新しき褌のごとく山裾を迂ぐっている。

高原でひとまず人夫を返し、荷馬車に大荷物を頼んでテクル事にした。一茶店に入りて用意の握り飯を噛じる。胡瓜揉みを命じたところが、怪し気な女が出て来て大皿の中にチョッピリ盛り付けたのが、驚くなかれ代価四十銭。イクラ開けない山の中でも、あんまり人を馬鹿にしている。田舎といったところが、なかなかこの調子では馬鹿に出来ない。

棒のようになった脚を引摺って出かけた。汗は用捨なく出る。服はグショ濡れだ。これからは鬼怒の渓流に沿うて桟道を行くのである。

この辺は鬼怒川水力電気の工事があるので、至る処、鬼のような工夫に逢う。大きな鶴嘴を手にして大道の上に五人十人休んでいる。孰れも薄気味悪るいギョロギョロした眼を光らして、吾等一行を見送っている。この工事が初まってから、縄からげの土左右衛門が血まみれになって河下へ流れて来たという話を聞いておったから、ひと通りならず薄気味悪かった。一騎当千の吾々、喧嘩では五、六人相手にしても負けない元気でいるが、なにしろ向うの連中はダイナマイトを持っているから、空心したことは出来ぬ。