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ほんしゅうおうだん つうかいとほりょこう
本州横断 痛快徒歩旅行
井沢 衣水
「冐險世界 第四卷第拾參號」博文館、1911(明治44)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,069 字 · 29 页
▲蛮力、馬を助く
ダイナマイトで粉々に砕かれてはつまらぬし、高が工夫、相手にしたところが自慢にもならない。ここは温なしく通り越した。
しかし、鬼怒の渓流は天下に紹介しても恥ずかしからぬ、壮大な、雄偉な、しかして変化に富める渓谷であると思った。
藤原から十七、八才になる人夫を雇って荷物を担がせた。時計を見るともう五時過ぎである。どうしても今日のうちに日光まで辿り着かぬと予定の行路が狂う。ウンコラウンコラ脚を飛ばして行くこと二里。着いたのが、大原という村である。
▲蛮力、馬を助く
八時今市発の汽車に乗らぬと、今晩中に日光へ行くことは出来ぬ。一体、塩原から日光へひと跳びというのが已に人間業ではない。自慢じゃないが、高原越えだけで普道の人間ならば凹垂れるところである。高原七里の峠を越えて、これから十里、日光まで伸ばそうというのだから、まるで天狗の仕事である。無謀といわばいえ。吾々は朝に計画した事を夕に変更することは断じて採らざる所、なんでもいいから今日中にやっつけろというのだ。そうすると、歩るいてた分には今晩歩るき通しにしなければ日光へは出られぬ。よし、かくなる上は今市日光間の四哩を汽車で行こうということになった。