轻松读懂日语经典作品
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まつばやしへんや
松林蝙也
山本 周五郎
「キング」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,092 字 · 25 页
――でもあたしはやって見せる、必ず、必ず参ったと云わせて見せる!
繰返し自分に誓うのであった。
そのあくる日のことだった、午まえの稽古を終って休息に入った時、蝙也は渡辺寛太郎を呼んで、
「ゆうべは無事に帰ったか」
と訊いた。
「は、どうも、面目次第もございません」
「今さら仕損じを詫びるにも及ばない、あれから無事に帰ったかと訊くのだ」
「いえ別に、は、――」
「嘘だろう、頑太郎は嘘つきだな」
「とおっしゃいますと?」
「何か落物をしたはずだ」
寛太郎はぎょっとした、――昨夜、蝙也に別れて帰る途中、いやに腰が軽いと思って気付くと、どこでどうしたか大剣が失せている、鞘だけはあるが中身が無かった。驚いて元の場所まで捜しに戻ったがどうしても分らない、しかし武士たる者が大剣を落したという訳にはゆかぬので黙っていたのだ。
「どうだ頑太郎!」
「は、その、実は、ちょいとした物を」
「ちょいとした物というと、紙入か」
「いや、もそっと大きなもので」
「紙入より大きくちょいとした物か……ははあ、すると印籠か。そうでもない、では袴でもおとしたか」
「いや、な、な、長い物のようで」
「ようだとは面妖だな、長い物なら長い物と云わなければ分らぬ。