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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

間もなく板木が鳴った。午後は屋外作業で、くぬぎ林の枝をおろして薪を作る予定になっていたのである。塾生たちは、いったん玄関前に集まり、班別にわかれてすぐ作業にとりかかった。

入塾後、すでに二週間近くになっていたので、作業は割合順序よく運ばれた。木にのぼって枝をおろすもの、おろされた枝を一定の場所に集めるもの、集められた枝を適当な長さに切るもの、切られた枝を縄でゆわえるもの、ゆわえられた束を薪小屋に運んで整理するもの、とだいたい五つの班にわかれていたが、管理部の人員の割り当てに、多少の誤算があり、はじめのうちは手持ちぶさたの塾生や、忙しすぎる塾生がないでもなかった。しかし、そのでこぼこも、間もなく修正された。

朝倉先生も、次郎も、むろん作業に加わった。こうした場合、二人は決して計画したり、指揮したりする側にはたたなかった。それどころか、一般の塾生たちと同じように、それぞれどの班かに割り当ててもらって、班長の指揮の下に働くようにしていたのである。もっとも、全体の様子を観察する必要から、比較的自由な立場にいたことは、言うまでもない。

次郎は木のぼりの班に加わり、朝倉先生は薪小屋整理班に加わっていた。