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さつじんめいろ
殺人迷路
甲賀 三郎
10 (連作探偵小説第十回)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,806 字 · 14 页
「え、殺人の証拠品!」
「ええ、私はアノ恐ろしい男のやり方はよく知っています。アノ男は自分の身体につけたり、家に置いとくと危険だと思うものは、方々の店でちょっとした買物をして、その時に、直ぐ貰いに来るからと言って、紙包にして、預けて置くのです。そうして、適当な時機に、自分でなければ、誰かを使いにやって、取り寄せるのです。あの時私の取りにやらされた包みもそれに違いありません」
「中味は何でしたか」
「私の想像ですけれども、銃砲店に預けてあった小さい包みは、京子さんを殺すのに使った毒薬の瓶だと思います」
「ふむ、医療機械店の方は」
「あれは靴ですわ。之は想像でなく、手触りででも分りました。間違いありません」
「靴? 靴ですって」
「ええ、星田さんの履いてらっしゃるのと、同じ型の靴です。恐ろしい男はその靴を履いて、京子さんの死体を鎌倉の二階家に運んだのです。ですから、星田さんと同じ靴跡がついていた――」
「ちょ、ちょっと待って下さい」村井は自分の頭が変になったのじゃないかと云う風に、しきりに首を振りながら、「星田さんと同じ靴と云うのはどう云う事ですか」
「恐ろしい男が星田さんに罪を着せようと思って、星田さんの履いてらっしゃる靴と同じ靴を履いたんです。