轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぼしじょじょう

母子叙情

岡本 かの子

「文学界」1937(昭和12)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,355 字 · 153 页

青空文庫

あなたにお訣れしたあの年の秋東北大学の理科に入り、今では研究室の助手をしています。今度は春の休みで一寸上京しましたので直ぐにこちらへ引き返しました。研究の結果は卒業論文としました。それに尚研究を加えて一冊の書物に纏めますから、その時お送りいたしますとして今は申し上げません。それよりも僕は、三年前に母を失いましたことをお知せいたします。それからこれは余事ですが、僕はあの頃お話した許嫁とは、僕の意志から結婚しませんでした。そして今も独身です。

K・S氏の展覧会の会場の銀座のデパートで、あなたが人中の僕を見て階段の上に佇んでいらっしゃったのを知り、僕が何故むす子さんの絵を買ったかを云わなければ済まない気がしまして、絶えて久しい手紙を書きました。今後はまた今まで通り一切手紙を差し上げぬつもりで居りますが、僕の生活もとにかく軌道にだけは乗っていますからご安心下さい。

僕は『世の中には奇蹟的に幸福なむす子もあればあるものだ。そういうむす子の描いた絵が珍しいから僕の部屋へ掛けて眺めよう』

こういう気持で一郎さんの絵を買ってかえりました。

春日規矩男

O・K夫人

かの女もこの手紙へ今さら返事を書こうとはしなかった。