轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
「新趣味」博文館 、1923(大正12)年3月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,076 字 · 220 页
彼女は私を一目見ると――すなわち海岸のボートの中に命も絶え絶えに気絶していた私の姿を一目見ると、南洋熱帯の乙女らしく憐れな姿の私に対して恋を覚えたということである。だから私を助けたので、そうでなければかえって私の肉を食ったろうということである。こんな恐ろしい事件を彼女は率直の手真似をもって一向平然として語るのであった。人の肉を食うダイヤル族! いかに彼女が美しくとも土人の血統は争われない。私はつくづくこう思った。そして恐ろしい蛮女によって恋い慕われるということがこの上もなく苦痛に思われた。しかし一方私にとって彼女は命の親である。燃えている彼女の熱情に向かって、無下に冷水を注ぐということも義理として私には出来なかった。しかし私には紅玉がある。紅玉! 紅玉! ああ紅玉! 紅玉はどこにいるのだろう? 森林の中に生死も知らずこうやって暮らしている間も一度として忘れたことはない! 息のある限りはどんなことをしてもきっと必ず探し出して見せる! ……
それにしても蛮女が私に対する熱情と誠実とをどうしよう! 彼女はいつでも私の前を用心しいしい歩いて行く。毒蛇や猛獣の襲撃から私を防ごうためである。