轻松读懂日语经典作品
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りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页
。その紳士が曲者だったんですね」
「ナニ曲者だった?」課長は噛みつくように叫んだ。
「そんならそうと、何故君は云わないんだ。そいつが掏摸の名人かなんかで、猿を抱きあげるとみせて、手提から問題の燐寸を掏っていったに違いない――」
「でも大江山さん、沢山の貴方の部下が警戒していなさるのですものネ。私が申したんじゃお気に障ることは分っていますからネ」
大江山は、昔から彼の部下が帆村を目の敵にして怒鳴りつけたことを思い出して、ちょっと顔を赧くした。
「とにかく怪しい奴を逃がしてしまっては何にもならんじゃないか。気をつけてくれなきゃあ、――」
「ああ、その怪紳士の行方なら分りますよ」
「なんだって?」と大江山は唖然として、帆村の顔を穴の明くほど見詰めた。そして、やがて、
「どうも君は意地が悪い。その方を早くいって呉れなくちゃ困るね。一体どこへ逃げたんだネ」
「さあ、私はまだ知らないんですが、間もなくハッキリ分りますよ」
「え、え、え、え?――」
流石の大江山課長も今度は朱盆のように真赤になって、声もなく、ただ苦し気に喘ぐばかりだった。
奇怪なる発狂者
「帆村君、君は本官を揶揄うつもりか。