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りゅうせんスパイ

流線間諜

海野 十三

「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页

青空文庫

すると、共通した問題とは何であるか、それこそはこの暗号の奥に秘められている大秘密でもあり、また敵の密偵長「右足のない梟」が身命を賭して達成しようとしている大使命でなければならない!

さるにても、「ボゴビ、ラザレフ岬、四日完了」とあるが、四日とはいつのことだろう。

「今日は何日ですかねえ」

と帆村は突如に、図書館の宿直氏にたずねた。

「ええ、今日ですか。今日は四日ですよ」

「なに四日? そうか、……そうなる、今日はたしかに十月四日だ。すると四日というのは今日のことかも知れない。うむ、これはこうしていられないぞ」

帆村探偵は暗号の手紙をひっつかむと、館員には挨拶もソコソコにして、W大学を飛びだした。

それから三十分ほどして、探偵帆村は、彼の尊敬する牧山大佐の前に立っていた。そこで彼はこれまで探偵した結果を要領よく報告した後で、

「大佐どの、北樺太のボゴビと沿海県のラザレフ岬との間に、近頃何か異状はありませんか」

「なに、ボゴビとラザレフ岬との間? おお君はどうしてそれを知っているのだ、真逆……」

「僕は、何も知らないのです。しかし僕の推理は、そこに何か異状のあるのを教えるのです。