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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
そんなことでは傍まで行ったときには、腰をぬかすぞ」
軍艦須磨と明石は、信号旗をひらめかしながら、ぐんぐん飛行島さして進んでゆく。
あと三四十分もすれば、その横につけることができるであろう。
艦隊は、前もって打合せをしてあるとおり、あの飛行島で二十四時間を過すことになっている。その間に士官候補生たちはこの最新の海の怪物の見学をする予定だった。
艦内では、いよいよ繋留用意の号令が出て、係の兵員は眼のまわるような忙しさだ。
午前十時四十八分、須磨明石の両艦は遂に歴史的の構築中の飛行島繋留作業を終る!
物事に動じないわが海軍将兵も、この飛行島の大工事には少からず驚いた。
なんという途方もない大構築だろう。
地上でもこれほどのものはあるまいと思われるのに、波浪狂う海洋の真只中の工事である。
(これが、人間のやった仕事だろうか?)
と、ただ眼を瞠るばかりである。
士官候補生たちもよく見た。祖国を出るまえ靖国神社参拝のとき見た東京駅なんか、くらべものにならない。
飛行島はU字型になっていた。
海上へ出ているのは、大きなビルディングの寸法でいうと、三階あたりの高さに相当する。