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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
それはともかく、彼はまだ、英国艦隊が放った駆逐機六機が自分を追跡中であることは知らなかった。
英国艦隊は、すでに聴音機でもって柳下機の進む方向や高さをちゃんとしらべて、出動の駆逐機隊に知らせてあったのだ。
そのころ、わがホ型十三号潜水艦は、風雨はやや治りかけたが、まだ意地わるく荒れ狂う波浪にもまれながら、じっと海面に浮かんでいた。艦橋には四五人の人影がうごめいている。
「まだ柳下機の消息はないか」
と、頤紐をしっかりかけた水原艦長が、心配そうに先任将校をふりかえった。
「はあ、まだ本艦の聴音機には感じないようです」
「うむ、そうか」
あとは誰も黙って、何も見えない夜空をにらむばかりであった。
それから五分ばかりたって、艦橋当直の入野一等兵曹の声、
「副長。只今聴音機に飛行機の爆音が入りました」
「なに、入ったか」副長は水原少佐の方を向いて、
「艦長、聴音機が爆音をつかまえました」
「そうか。それはよかった。結果はどんな工合か」
と、艦長は聴音手の傍へ歩をうつす。
すると聴音手は、なぜか息をふうふう切っては、丙号聴音機をやけにぐるぐる廻しているのであった。
「おい間。