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うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页

青空文庫

「はい、ほんとのカワカミと思われる者を選びだしましたから、閣下に見ていただこうと思います。おーい、こっちへ連れてこい」

とスミス中尉が、隣室に向かって叫べば、

「おう、――」

とこたえて、大勢の試験委員が縄尻をとって引立ててきたのは、後手にくくられた七名の東洋人!

「なあんだ、この中のどれがカワカミか」

と、リット少将は呆れた。

スミス中尉は、澄ましたもので、

「ここまでは、カワカミらしき者を選りだしましたが、これ以上区別がつきません。あとは閣下のお智恵によりまして、御判別をあおぎたいと考えます」

スミス中尉は、今まで数回川上機関大尉に出くわしているのであるが、いつも巧みな変装姿だったので、素顔を知らない。事実、見分けがつきかねているのだった。

なるほど、どれも、見れば見るほど、この間の硝子屋によく似ている。

「なんじゃ、わしにこの七名の中から、本物のカワカミを選びだせというのか」

リット少将とて、同じことであった。

少将は、奥にひっこんだ眼をぎょろりと光らせながら何事かしばらく考えこんでいたが、

「ちょっと耳を貸せ、スミス中尉」

中尉は、はっと答えて、少将の前に頭をさしだした。