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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
――なに、それは見えなかった? なにしろ夜のことで、探照灯もあまり役に立たず。――もう、しゃべるのはよせ。子供が司令官になっているわけじゃあるまいし」
リット少将は憤慨の極、受話器を叩きつけた。
「うーん、今の若い者は、魂が腐っとる」
といって、傍をふりむくと、呼びもしない分隊長フランクが立っていた。
「あ、貴様は――」
「少将閣下。カワカミが生きている確かな証拠を申し上げにまいりました」
「なんじゃ、カワカミ? カワカミの亡霊にゃわしは用はないわい。生きているものなら、貴様ひっかついで、ここへ連れてこい。――ああこれでもしわしが神経衰弱にならなかったとしたら、それは医学界の一大不思議じゃ」
非戦闘員の帰還
途中までは、たいへんうまくいった飛行島の試運転も、一回のおわりのところで、思わぬ邪魔ものにとびだされ、はじめは大機嫌だったリット少将も、おわりには半分気が変なようになってしまった。
演習の時間表など、めちゃめちゃになってしまった。それでも飛行島は、まず無事に元の錨地へ帰着することができた。錨をがらがらと入れたとたんに、東の空が白みだしたというわけで、実に際どいところで間にあったのだった。