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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
室内においても、不用な箱や卓子などが別にせられ、そして甲板から海中へ投げ捨てられた。
秘密砲塔を隠している仮装掩蓋は、しばしば電気の力をかりて、取外されたり、また取付けられた。
共楽街は、大勢の水兵の手により、片端からうち壊され、小屋といわず、道具といわず、映写機のような高価なものまで惜し気もなく海中へ叩きこまれた。
こうして夕方ちかくには、飛行島の内外は、生まれかわったように軍艦らしくなった。
海を圧する浮城、飛行島!
丁度そのとき、この飛行島戦隊に編入せられた巡洋艦、駆逐艦、水雷艇、潜水艦、特務艦などが合わせて四十六隻舳艫をふくんで飛行島のまわりに投錨した。
リット提督は、得意満面、大した御機嫌で司令塔上から麾下の艦艇をじっと見わたした。
「ほほう、わが飛行島戦隊の威容も、なかなか相当なものだ。これなら日本の本土強襲は、案外容易に成功するであろう」
提督は、戦わないうちに、自分の戦隊の勝利をふかく信ずるようになった。
やがて夜となった。
一切の出航準備は成った。
ただ一つ気がかりなことは、昨日にひきつづき風が依然として治らないことだった。
午後八時、リット提督はついに出航命令を下した。