轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
普通なら、病院船の軟らかいベッドの上に横たわって、故国の海軍病院に送還される身の上だ。しかしここは敵地だ。いや敵地どころか、敵の懐の中なのだ。可哀そうだが、これ以上、どうしてやりようもない」
「も、もったいないことです。上官、もう沢山です」
「うん、泣くな。俺のいいたいことは、そういう重傷をうけた身でいながら、今もこの潮に洗われている鉄骨の間で頑張っている貴様のおどろくべき忍耐力を褒めてやりたいのだ。おい杉田、貴様ぐらい立派な帝国軍人はないぞ。そしてまた貴様ぐらい上官思の忠勇なる部下はないぞ」
「上官、もう杉田は……」
といって、その後は波浪の砕ける音に消えてしまったようである。
療養まだ半ばにして、汽船ブルー・チャイナ号から海中にとびこんだ杉田二等水兵は、いくたびか波浪にのまれようとした。そのたびに川上機関大尉の逞しい腕が傍からさしのべられ、彼は溺死から救われたのだ。そしてついに、目ざす飛行島の鉄骨にとりつくことができたのだった。
今では飛行島上には、英人以外の乗組員はただ一人もいなかった。だから彼等二人は、よしや飛行島に泳ぎついたとしても、もし島内でその姿を発見されれば、たちどころに引捉えられなければならなかった。