轻松读懂日语经典作品
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
「……」
中国人ボーイたちはきょとんとして、互の顔を見合うばかり。日本語なんか、ちっとも分からないという風だ。
日本語のほか知らない杉田二等水兵は、はたと困っちまった。
「誰か日本語の分かる者はいないのか。ニッポン、日本だぞ」
杉田二等水兵のはげしい権幕に恐れてか、中国人ボーイは一人立ち二人立ちして、だんだん杉田の前に集ってきた。そしてぺちゃぺちゃしゃべっては、いぶかしそうな顔をしている。
「おい、どこかへ行って日本語の分かるやつを引張ってこい。一たい、日本語が分からないなんて、けしからんぞ」
と、きめつけたが、もちろん、通じるわけがない。
そのうちに、一人のボーイが奥へかけこんだ。
誰か探しにいったんだろうと思っていると、果して奥から別の人間を引張ってきた。それは胸にエプロンをしめ、片手に肉切庖丁を握った料理人風の男だった。
「おい、お前は日本語が分かるのか」
かの料理人は、耳に手をあてて杉田の方を見ながら眼をぱちぱちやっていたが、やがてにやにや笑うと、いきなり杉田の手をにぎり、
「ああ――ああ、こにちは」
杉田は突然「今日は」と挨拶をされて、百万の味方を得たように喜んだ。