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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
だから飛行甲板を走りきるまでには、甲板の長さの幾層倍かの長い滑走路を走ったと同じことになる。これだけ申せばもうお分かりのとおり、どんな重い重爆だって楽にとびだせますよ。どうです。驚いたでしょう、ハバノフさん」
ハバノフは、上着のポケットからハンカチをだして、しきりに額の汗をぬぐっている。
飛行島が、実は世界最大の超航空母艦だということがやっとのみこめて、肚の底からびっくりしているのであった。なんというたいへんなものを造った英国海軍であろう。
「まだ驚かすことがあるんだが、そいつはまあいずれ後のことにしましょう」
「えっ、まだ驚くことがあるんですか」
「あっはっはっはっ。この飛行島一隻がありさえすれば、極東のライオンも、だまってひっこむより仕方がないでしょう」と暗に、日本を押しかえす力があることをほのめかし、
「しかしこんな恐しい超航空母艦であることは、当分のうち絶対秘密にしておかねばなりません。もしも日本に知れるようなことがあれば、あの東洋の無茶者は、どんな乱暴をはたらくかしれない。だからこの飛行島では、ただ一人の日本人も使っていない。ハバノフさん。貴下にうちあけたこの飛行島の秘密は、大したお土産でしょう。