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うみのしょうねん

海の少年

小川 未明

「少年文庫」1906(明治39)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,574 字 · 6 页

青空文庫

もう欲しくないから、昨日、もらったのをも返すよ。」と返したのであります。

すると、空色の着物を着た子供は不審そうな顔つきをして、

「なんで、君のお父さんや、お母さんはしかったんだい。」とききますと、正雄さんは、

「人から、こんなものをもらうでないと、いって……。」と答えました。

すると、空色の着物を着た子供は、からからと笑って、

「陸の上の人間はみょうだな……。」といいました。正雄さんは、不思議に思って、

「え、君、陸の上って、君は、いったいどこからきたんだい。」

「僕は、海の中に住んでいる人間だよ。」

「海の中にも国があるかい。」と、正雄さんは、ますます不思議がってききますと、

「君はばかだな、海の底にりっぱな都会があるのを知らないのかえ、陸の上の家みたいに、こんなにきたなくはないよ。水晶もめのうも拾い手がないほど落ちているよ。」

「そうかなあ。」と、正雄さんは感心してしまいました。

「君は、今年何年生だい。」と、海の中の子供がききますから、正雄さんは、

「僕は高等三年だよ。」と答えました。

「僕は今年四年生だ。いちばん修身と歴史が好きだよ。君は? ……」

正雄さんも歴史は大好きなもんですから、