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うみのしょうねん

海の少年

小川 未明

「少年文庫」1906(明治39)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,574 字 · 6 页

青空文庫

今年の夏休みに、正雄さんは、母さんや姉さんに連れられて、江の島の別荘へ避暑にまいりました。正雄さんは海が珍しいので、毎日朝から晩まで、海辺へ出ては、美しい貝がらや、小石などを拾い集めて、それをたもとに入れて、重くなったのをかかえて家へ帰ると、姉や妹に見せて、だんだんたくさんにたまるのを見て、東京へのおみやげにしようと喜んでいました。

ある日のこと、正雄さんは、ただ一人で海の方から吹いてくる涼しい風に吹かれながら波打ちぎわを、あちらこちらと小石や貝がらを見つけながら歩いて、

「見つかれしょ、見つかれしょ、己の目に見つかれしょ。真珠の貝がら見つかれしょ。」といいました。

青々とした海には白帆の影が、白鳥の飛んでいるように見えて、それはそれはいいお天気でありました。

そのとき、あちらの岩の上に空色の着物を着た、自分と同じい年ごろの十二、三歳の子供が、立っていて、こっちを見て手招ぎをしていました。正雄さんは、さっそくそのそばへ駆け寄って、

「だれだい君は、やはり江の島へきているのかい。僕といっしょに遊ぼうじゃないか。」といいました。

空色の着物を着た子供はにっこり笑って、