轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かいりゅう

海流

宮本 百合子

「文芸春秋」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,977 字 · 72 页

青空文庫

麻か何からしい少しだぶっとした単衣を着た小柄な、二十をほんのすこし出たばかり位の瘠せぎすな細君が、重心を片方の脚において、並んで立っていた。口許や額は淋しいひとのようだが、こもったような情熱が肩の落ちたその躯つき全体に溢れているのである。瑛子がわきから見ながら、

「貧弱なひとだねえ」

と云った。宏子はその言葉から残酷さを感じた。宏子は、やっぱり写真を手にとらないで、

「これ――誰がとったの」

「僕が田沢さんとこの裏でとってあげた」

「じゃ自分のとこへ置いときゃいいじゃないか」

怒ってるような姉の声に順二郎は黙っている。

「――田沢さんたら、千鶴子さんに、お前と結婚さえしていなかったら奥さんと結婚したのになんて云うもんだから、この頃は田沢さんが出かけようとすると、泣いて格子に鍵をかけたりするんだってさ。――どうしてそんな夢中になれるんだろうね。私なんかとてもそんな気持にはなれないがねえ……」

そう云っている瑛子の眼と声の艶とは、それ等の言葉を全く裏切って、熱っぽい興味と亢奮と、宏子が知りつくしている独特の成熟したエネルギッシュな光彩を放っているのである。それらの言葉と顔付との間には瑛子が自覚していない貪婪なものが潜められていて、宏子は思わず母の手の上に自分の手をおいて、