轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

きえたミジアム

消えた霊媒女

大倉 燁子

「オール讀物 四巻一一号」文芸春秋、1934(昭和9)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,605 字 · 31 页

青空文庫

ませんでした。呼ばなければ女中も来てはならないことになっているので、こういう場合にはまことに好都合でした。

翌日は風を引いたと云って、母屋から女中に食事を運ばせ、麗子と二人ぎりの楽しい世界を作って終日閉じ籠って居りました。私は度々妻の招霊を頼みましたが、どういうわけか嫌がって、

『あなたは私が霊媒女で奥様をお招び出しするから私がお好きなんで、私という者には何の興味もお有りにならないんでしょう。私はあなたに霊媒女として取り扱われるんなら何もこうしてあなたとご一緒にいる必要はないから帰りますわ』

と駄々を云ってなかなかやって呉れません。しかしそれではせっかくこうして連れて来たのに何の役にも立たない、それでは困る。結局いろいろと宥めすかして、やっと招霊を承知して呉れた時はもう夜も大分更けていました。

夕方から降り出した雨に風が加って、板戸へ打つかる雨の音に言葉を奪われながら、私は一生懸命になって妻と話しました。第一の質問は無論手紙です。詰問に対して妻は何の躊躇する容子もなく、すらすらと手紙の男と自分との関係を云ってしまいました。

世の中に疑惑ということほどねばり強く、恐ろしい力をもっているものはありますまい。