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ゆしまもうで
湯島詣
泉 鏡花
「湯島詣」春陽堂、1899(明治32)年11月23日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 62,004 字 · 122 页
通う神
十一
」
「ひゃあ、」
「馬鹿め、跣足で失せやあがれ。」
通う神
十一
「おやおや、酷く曇ってるなあ、何だかこれじゃあ君を送って来たようだが、神月君。」
竜田は校内の園を抜けて、弥生町の門を出ようとして空を見たのである。
「一所に散歩をしようと思ったけれど、降りそうだから僕はもう失敬するよ、それじゃあ君、議論は議論だが実際は実際だ、よく考えて軽忽なことをしたもうな。」と年下の友に熟々言われて、ただ打頷くのは神月であった。
「それでは。」
「失敬。」と言い棄てて、竜田は門から引返した。暗がりの中を詩を唱ったが、低唱してやがて聞えなくなった。
梓は徊して歩を転ずる、向から来て、ぱッたり。
「えッ。」といって何物か身を開いて退って神月の姿を透し、
「よ、先生か。」と冷評すような調子で言った。
これは松の鮨の源次郎で、蝶吉から頂いた、土付かずといって可い大事の駒下駄を、芋を焼く竈に焚られた上に、けんつくを啖って面目を失ったが、本人に聞くより一段情無い愛想尽しを、頭の口から、しかも意見するごとく言い聞かされ、お穿物という謎まで聞いて、色男堪忍ならず。胸はひッくり返るようだが、むずと胸倉を取られると、目の玉が出そうな豪傑の頭を対手には文句も言われず、居耐らなくなった処を、煙に燻されて泥に酔ったように駈出して来たのである、が、自分から顛倒して