轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
とろ
瀞
佐藤 垢石
「続たぬき汁」星書房、1946(昭和21)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,908 字 · 30 页
この方法であると、道糸に対する水の抵抗の範囲が極めて短く狭いから、囮鮎の負担は軽いのである。であるから、囮鮎は天然自然のまま、川へ放たれたように川底を自由に泳ぎまわるのである。囮鮎が川底を、あちこち泳ぎまわったならば、自由気ままにさせるがよい。引き止めたり制したりしてはいけない。囮鮎を遊ばせる気持ちで、鮎が行くままに上流へなり、下流へなり自分の身体を移して行ける。
しかし、その場合、決して目印の位置水上一寸の場所に変化を与えてはならぬのだ。これさえ忘れなければ、囮鮎は自由に活動して、川鮎は必ずこれに挑戦してくる。そして、お前の囮鮎の尻に装置してある鋭利な鈎に、引っ掛かってしまうであろう。
十
語り終わって、私は娘にこれでよろしいと言った。娘は私の言葉の通りの姿勢を作り、竿を空に向けて四十五度の角度に立て、目印が水上一寸のあたりにひらひらとするよう、竿の位置を定めると、囮鮎は私が予言したように、いったん沖へ向かってのし、それから上流下流へと縦横に泳ぎまわるのである。
私は、娘の背後から、道糸の囮鮎の動くままに曳かれて、水上を前後左右に往きつ戻りつする白い目印の微妙な消息に、深い注目を払っていた。