轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
――デニー博士は、大歓喜に酔うことは一時預けとして、直ちに適切な命令を次々に発しなければならないのだ。人類最高の名誉をになう彼の部下を率い、そしてこれらの部下を保護し、更に進んで火星生物との間にむずかしい交渉を開始し、それを平和的に解決しなければならないのだ。思えば思えば、デニー博士の上にかかっている責任は、測りしられぬほど重且つ大である。
「各室の空気洩れを点検!」
博士が第一番に出した命令は、これであった。空気洩れの箇所がないか、調べるのであった。火星には空気が少い。これまでに研究せられたところでは、火星の空気の濃さは地球で一番高いといわれる標高八千八百八十二メートルのエベレスト峯頂上の空気よりももっと稀薄であろうといわれていた。それは地上の気圧の約三分の一に相当するが、これによって火星の大気は、地球のそれの四分の一かそれ以下であろうと想像された。
だからもし宇宙艇が、各室の空気洩れの穴をそのままに放っておけば、艇内の空気はどんどん外へ出ていってしまい、艇内の人々は呼吸困難に陥らなければならない。だから空気洩れの箇所を調べ、もしもそれがあるときはその部屋を犠牲にして、次の部屋との境にある密閉戸を下ろさねば危険となるのだ。