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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

いわゆる電熱服である。

普通の電熱服は服についている紐線の端のプラグを、艇内の配電線のコンセントへさしこめば、それで電流が通って服が暖くなるわけであったが、上陸用空気服では、そうはいかない。艇から長い紐線を引張って歩くわけにはいかないからだ。そこで特別の電熱が用意されてあった。それは極く小さな原子力エンジンに直結された発電装置であった。この原子力発電機は、その他いろいろな仕事をも、つとめる源であった。

上陸用空気服の点検は終った。各自はいつでもこれを着用できる準備をととのえた。

デニー博士は、第三の命令を発した。それは各自が、それぞれの新部署につくことであった。新部署というのは、火星の上で生活をするための仕事の分担だった。

河合は、マートン技師の下でエンジン係をやることになったし、ネッドは食堂の給仕係を、張は料理人を勤めることになり、前と同じ役目に戻ったわけだ。山木は見張員として活躍することとなり、正式に六方向テレビジョン――通称テレビ見張器の前に席が出来た。山木はよく気がつき、むしろ過敏すぎる神経の持主だから、この役はうってつけだ。

その山木は、博士の第三命令の直後、テレビ見張器の映写幕に向い、全神経を目に集めて、四方を見張っていたが、その彼は何を見つけたか、突然、