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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「やっ、手榴弾か、爆弾か」
こっちの乗組員は、顔色をかえたが、それはそういう爆発物ではないらしく、炸裂音は聞えず、ただどすんどすんというにぶい小震動が感じられたばかりであった。しかしそれは次第に数を増し、何百何千と艇の上に落ちて来た。
「瓦斯の噴気孔がふさがれました」
困った報告が来た。
「なに、すると瓦斯は出なくなったのか」
「そうです。孔をふさがれちゃ、もうどうもなりません」
その頃、火星人たちは、また上機嫌になって笑っているように見受けられた。
「仕方がない。あとは出来るだけ永く、彼らを艇内に入れないようにするしかない。全員、空気服をつけろ。いつ艇が破れて、空気が稀薄になるか分らないからね」
遂に最悪の事態を迎えて、デニー博士の顔は深刻さを増した。
乗組員たちは、大急ぎで空気服を着はじめた。大きな靴、ぶかぶかの鎧の様な脚や胴や腕、蛸の頭の様な丸い兜、空気タンク、原子エンジン発電機。みんなの姿が変ってしまった。
「割合に軽いね。へんじゃないか」
「火星の上では、重力が地球のそれの約半分なんだから、地球で着たときよりはずっと軽く感じるのさ」
「そうかね。これでどうやらすこし火星人に似て来たぞ。