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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
というわけは、本物の建物は、地中深いところにあって、外からは見えなかった。ただその建物の出入口にあたるところが小さい塔になっていた。
塔とはいうものの、たった三階しかなく、各階とも部屋の広さは五メートル平方ぐらい、屋上が展望台になって居て、柱に例の赤三角のついた旗がひるがえっていた。見渡すかぎり雑草のしげる凸凹平原の中に、こうした旗のひるがえる小塔のあることは、このあたりの風景をますます異様のものにした。
赤三角研究団の団員は、どういうわけか、いつもたいてい防毒面のようなものを被ってこの荒蕪地を走りまわり、測量をしたり、煙をあげたり、そうかと思うと小型飛行機を飛ばしたり、時には耕作用のトラクターのように土を掘りながら進行する自動車を何台かならべて競争をするのだった。
この赤三角研究団は、いったい何のためにこんなことをやっているのであろうか。
さて赤三角研究団では、この頃又へんなことを始めた。例の荒蕪地の方々に大小さまざまな檻を建てたのである。そしてその中にさまざまな動物を入れた。馬や牛や羊はいうに及ばず、鶏や家鴨などの鳥類や、それから気味のわるい蛇や鰐や蜥蜴などの爬蟲類を入れた網付の檻もあった。