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かそうこくふうけい

火葬国風景

海野 十三

「帝都日日新聞」1935(昭和10)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,334 字 · 37 页

青空文庫

八十助は不思議な夢を見ていた。――

クルン、クルン、クルン……

妙な音のしている空間に、彼は宙ぶらりんになっていた。赤いような、そして青いような、ネオンの点滅を身に浴びているような気がした。

クルン、クルン、クルン……

細かい綾のような波紋が、軽快なピッチで押しよせてきては、彼の身体の上を通りすぎてゆくのであった。すると今度は、上からも下からも、左からも右からも、前からも後からも(後方さえよく見えたのだから、後で考えると不思議である)、美しい虹が、槍が降ってくるように真直に下りてきては、身体の傍をスレスレに通りすぎるのだった。それもやがて、水の泡沫のように消え去ると、今度は大小さまざまのシャボン玉が、あっちからもこっちからも群をなしてフワリフワリと騰ってくるのだった。

クルン、クルン、クルン……

シャボン玉の大群はゆらゆらと昇って、どこまでも騰ってゆくように見えたが、そのうちに何か号令でもかけられたかのように、その先頭のシャボン玉がピタリと止ってしまった。それは丁度、見えない天井につきあたったような具合だった。なおも後からフワリフワリと騰ってくるシャボン玉は、みるみる重なりあって、お互いに腹と腹とをプルンプルンと弾きあった。