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むざん

無惨

黒岩 涙香

「小説叢」1889(明治22)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,602 字 · 56 页

青空文庫

家が何所に在る(谷)是ほどいッても未だ分らぬから素徒は夫で困る先少し考えて見たまえな(大)考えても僕には分らんよ(谷)刑事巡査とも云われる者が是位いの事が分らんでは仕方が無いよ、賭場だアネ(大)エ、ドバ、ドバなら知て居る仏英の間の海峡(谷)困るなア冗談じゃ無いぜ賭場とは賭博場だアネ(大)成るほど賭場は博奕場か夫なら博奕場の喧嘩だネ(谷)爾サ博奕場の喧嘩で殺されたのよ博奕場だから誰も財布の外は何も持て行ぬがサア喧嘩と云えば直に自分の前に在る金を懐中へ掻込んで立ち其上で相手に成るのが博奕など打つ奴の常だ其所には仲々抜目は無いワ、アノ死骸の当人も矢張り夫だぜ詳しい所までは分らぬけれど何でも傍に喧嘩が有たので手早く側中の有金を引浚ッて立うとすると居合せた者共が銘々に其一人に飛掛り初の喧嘩は扨置て己の金を何うしやがると云う様な具合に手ン手ンに奪い返す所から一人と大勢との入乱れと為り踏れるやら打れるやら何時の間にか死で仕舞ッたんだ、夫だから持物や懐中物は一個も無いのだ、エ何うだ恐れ入たか」大鞆は暫し黙考えて「成る程旨く考えたよ、けどが是は未だ帰納法で云う「ハイポセシス」