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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
話をきいて、びっくりしたけれど、あたし、欲ばりだもので、早速その品物を見せてもらって、自分のものを選って持ってきたのよ。ついでに、房枝さんのものも持ってきたわ」
「あら、スミ枝さんは親切ね」
「そういわれると、あたしはずかしいわ。だって、正直にいうと、房枝さんも死んでしまったろうから、房枝さんの形見をもらうつもりで、持ってきたんだわ。ごめんなさいね」
「形見だって、ほほほほ。本当に、もうすこしで、形見になるところだったわねえ」
「ごめんなさい。あとで見せるわね。あの、いつかの奥様みたいな方が持ってきた手箱もあるのよ」
「あら、そう、あのよせぎれ細工の手箱が」
房枝は、道子夫人からいただいた手箱が焼け残っていたと聞いて、とたんに、なつかしく、夫人のことが思い出された。
(ああ、あの奥様はあたしが死んでしまったと思っていられるかもしれない、安心をおさせ申すために、おたずねしなければならないけれど、つい、お所をうかがっておかなかったので、こういうときに困ってしまうわ)
と、ざんねんに思った。
それから、房枝は、忘れていた道子夫人のことを考えつづけはじめたが、とたんに、じゃまがはいった。