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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

そこで船長が、かわって電話機をとりあげたが、一言二言いううちに、船長は、おどろきのこえをあげた。

「えっ、見つかったか。ふーん、そりゃ、たいへんだ。今すぐ、わしは、そこへいく」

なにが見つかったというのだろう。

それをきいて、曾呂利本馬が、すっくと立ち上った。松葉杖なしで、曾呂利がつっ立ったのである。

石炭庫の中

「おい、見つかったそうだ、ミマツ曲馬団の松ヶ谷団長が、石炭庫の中で」

船長は、おどろくべきことばをのこすと、すぐさま医務室をとびだした。

「えっ、団長さんが、見つかったんですって、まあ、よかったわ」

と、房枝は、よろこびの色をうかべて、曾呂利本馬の方をふりかえった。

行方不明をつたえられた二人のうち、一人は見つかったのだ。ことに、松ヶ谷団長が、このまま、行方不明だったら、このミマツ曲馬団は、これから満足な興行ができないであろう。やがて、一座は解散となって、団員たちは、ばらばらになってしまうにきまっている。ああ、そんなことになれば、房枝のような孤児を、だれが面倒みてくれるであろうか。団長が見つかったという知らせに、房枝が、ほっと安心の吐息をもらしたのも、わけのあることだった。