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はちゅうかんじけん

爬虫館事件

海野 十三

「新青年」1932(昭和7)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,914 字 · 38 页

青空文庫

「ときには湯を入れたりすることもあります」

「だが蟒の呼吸ぬけもないし、それに厳重な錠がかかっていますね」

「これは兎に角、論文通過まで、内部を見せたくない装置なんです」

「論文の標題は?」

「ニシキヘビの内分泌腺について――というのです」

そこへドヤドヤと、警官と園丁との一団が鴨田研究員を取巻いた。

「もうこの建物は天井から床下まで調べましたが、異状がありませんでした。唯残っているのは、あの三つのタンクですが、お言葉を信用してそのままにして置きます」

帆村はそれを聞くと飛出してきた。

「待って下さい。あのタンクは、是非調べて下さい」

「でも開けられないのですよ」帆村の見識り越しの警官が云った。

「そんなことは無い。ね、鴨田さん、開けた方が貴方のためにもいいですよ。あのタンクだけで、清浄潔白になるのじゃありませんか」

「いやそう簡単に明けられません」鴨田は強く反対した。「あれを明けると、爬虫館の室温や湿度が急降して、爬虫に大危害を加えることになるので、ちょっとでも駄目です」

「私は大したことはあるまいと思うのですが、演ってみては?」帆村は尚も主張した。

「いやそうは行きません。