轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ろうしつき

狼疾記

中島 敦

「南島譚」1942(昭和17)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,540 字 · 47 页

青空文庫

水の上には明暗の交ったうそ寒い光が漂っているようだ。仄かな陰翳が其処から立昇り、立昇っては声もなく消えて行くのである。

気配は感じられても姿を現さない尾行者に蹤けられているような気持で、彼は独り河岸っぷちを歩いて行く。

小学校の四年の時だったろうか。肺病やみのように痩せた・髪の長い・受持の教師が、或日何かの拍子で、地球の運命というものについて話したことがあった。如何にして地球が冷却し、人類が絶滅するか、我々の存在が如何に無意味であるかを、その教師は、意地の悪い執拗さを以て繰返し繰返し、幼い三造たちに説いたのだ。後に考えて見ても、それは明らかに、幼い心に恐怖を与えようとする嗜虐症的な目的で、その毒液を、その後に何らの抵抗素も緩和剤をも補給することなしに、注射したものであった。三造は怖かった。恐らく蒼くなって聞いていたに違いない。地球が冷却するのや、人類が滅びるのは、まだしも我慢が出来た。ところが、そのあとでは太陽までも消えてしまうという。太陽も冷えて、消えて、真暗な空間をただぐるぐると誰にも見られずに黒い冷たい星どもが廻っているだけになってしまう。