轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
11 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页
あなたの額に、どんなかざらしが似合うでしょう。その眉と髪にはどんな花がふさわしいことでしょうね。少くともそれは、昼もかなしけ、というほどのいとしさのこもった花でなくてはなりますまい。さゆりのゆどこ かぐわしい一つ一つのゆたかな花でなくては、お似合いにはならないわ。
そして、眼のなかに、花かげがさしたとき、それはどんなに風情ふかいでしょう。己れであって己れでないそのかげに魅せられて、花は益※(二の字点、1-2-22)香い高く益※(二の字点、1-2-22)いのちをつくして咲きつくすでしょうね。
二十日にあの手紙さしあげて、よかったことね。二十二日のも頂き、そしてから熱を出すようになったのは、幸と申すべきです。発熱の癒りも早いし、あなたが案じて下さる下さりかたも心配というような要素は不用ですもの。参ったらしいね。そうなの。そして、笑うでしょう。これは相当得難いことですものね、考えてみれば。日ごろの養生のねうちが知れたと思ってわるい気もちはいたしません。あなたにしても、やかましく養生のしかたをお云いきかせになって来た甲斐がなくなかったことには御満足でしょうと存じます。