轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

12 一九四五年(昭和二十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页

青空文庫

二ヵ月位すっかり休んで事情が許せば先へ移ります。もし早くなればもとより其が結構よ。ねえ。江場土に行って見て来た生活ぶりと何たる異いでしょう。ここで人間は成長出来ないわ。祖父が、謂ってみれば功成り名遂げて村からおくられた土地というようなものは、その位置が景勝であればある丈隠居ですね。でも凄じい時代の推移でこの東に向って地平線まで開いた廊下は、機銃に対してこわいところとなりました。角度がうんと大きいのですもの。あっちの方からだって、空から人が動くのが見えるのでしょうから。

「伸子」の中にかかれたこの庭は、今芝生の隅に壕がほられて、白いマーガレットが野生に咲いて居ります。きょう、わたしは杏の葉の美しい井戸端でもんぺと肌襦袢とを洗いました。あした着て帰るのに。又大汗をかくでしょう。戦闘準備よ。やっと国男が動き出します。切符の都合でどうなることか、わたしが一人先になるか、国と一緒に行けるか。一緒に行きたいと思います。帰るのは、こわく、しかしうれしいわ。心が休まるわ。でも、帰った時家がなかったらどこへ泊ろうねというような話です。親類たちも皆やけてしまったのよ。