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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
あなたはいかがでしょう。よくおよりますか。私はいろいろの意味でこういうところに十日以上暮している辛棒はないから、これからは余りへばらないうち三四日本をもって来ようというプランです。
この海岸は御承知の通り海水浴場がないからその点ではさっぱりして居ります。遊びに泳いでいる者一人もなしです。私は豆腐ばかりたべている、それから胡瓜と。二十九日に緑郎がパリへ立ちます。音楽の勉強のために。福沢の孫で法律をやっている青年と一緒。緑郎は何か得て来るでしょう。どうかお大切に。国府津へ原稿を出しに出かけるのでいそいで一筆。
八月二十六日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 国府津より(封書)〕
八月二十六日 第二十七信
今朝十六日づけのお手紙が来ました。東京からお久さんの付箋がついて。
二十二日にこちらで書いた私の手紙はきっと今月の終り或は私がお会いしてから後についたりするのでしょうが、このお手紙に、ユリもどっかへ行って休めとあるので私は大変気が楽になった。去年の夏は体がしゃんとしていなかったのに馬力を出したからいけなかったし又、疲れを休める適当な方法を知らなかったのでドライブしたりしてしまいました。