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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
絵というもののかげの世界のおくれ工合、険悪工合にはびっくりしました。
きょうから、『発達史日本講座』の現代文学をかきはじめます。この頃、小説にくっささりたい。それに夏からのこの約束で、フーフー。五十枚ばかりだから、ユリよがんばれ、です。これさえすますとこの種の予約はまぬがれます。
キャベジの葉のようなのというのは葉牡丹でしょう。それは、市民的正月の恒例である葉っぱです。外側の葉の枯れるのをはがすと内へ内へとキャベジのように新しくなって行って、しまいには大変柄の長い玉になります。私たちは今年の暮は、何となし愉しい。そうではありませんか。とにかくいつなまけたということはなく生きたし、あなたは快復に向っていて下さるし、今年のために私達は何かしようとしていたところ優しい絵も二つ出来たし。年を送るという感情がこのような安心を伴って、感じられることは何年にもなかったことです。而もほのぼのと日ののぼる感じをもって。では又、かぜをひかないで下さい。
十二月十一日午後 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十二月十一日 第四十二信
けさ、あなたの十二月二日づけお手紙がつきました。