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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
欲しいのがあります。
○英和は岩波のを昨日買ってお送りしました。三省堂のコンサイズよりもよいと思います。ポケット型です。
そちらにゆかない日は、ついこうして話したくなります。煙草をのむ人なら一寸一服というときに。二人いれば、私がきっとお茶でもいれてもって行きそうな時、そのころあいに。そしてこういう話のとき、字まで雑談的なの、おかしいこと。こういう字は、自分のためのノートか、こういう手紙にしかない字。クシャクシャとして、絶えるところがないようで。こんな細かい字は本当にほかへは書きませんものね。
十七日。
(さて、この頃十番以内[自注6]になるためには相当の馴れを要します。)
十四日づけのお手紙をありがとう。十六日着。小説のことはいろいろと経験になって大変有益でした[自注7]。一面にはあんなに書きたくて、心こめて書いたものだったから、反対の効果であったりしなくてよかったというようなところもあります。主題の性質についての話、それから以前からジャーナリズムとの角度について云っていらしたこと、それらが極めて具体的に納得されました。そのことでは多くのものを得ました。