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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

菫の花が草の間に美しく咲いているし、れんげの花も一杯咲いている。やがて壁の内に入ってしまうところです。

かえって来たら、こちらのうちに、おはぎができている。多賀神社の祭祝の由。それを御馳走になり、一番奥の、田を見渡す部屋の円食卓のところで帳簿をひっくりかえし(多賀子)そろばんをはじき(母上)私ペンを握って大仕事がはじまり。周南町になったので、特別税(所得)の申告があるのです。いろいろ商売のことがわかり、例えばタバコは〇・九の利率とか、塩は一カマス平均20銭、肥料5/100以下の利益とか、なかなかためになりました。トラックの方のこともやっと分りました。金は大きく運転するが、又維持にもなかなかかかるものですね。それらをすっかり書きこみ、控えをとり、それから肥料配給申告書をつくり、これもなかなか面白く思いました。八月から配給実施で申告しないものはオミットになります。第二期というのが八月―十二月、三つに分けて四ヵ月ごとにするのでしょうか。これも様式をちゃんと写しをとったから来年は御不自由ありません。これ迄そういう記入は皆達ちゃんや他の人がやっていて大分弱っていらした折からようございました。