轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

(四号車で前部なので、なかなかまわって来ないので)克ちゃん、出羽さんにいたときよりはすこしふっくりして、どこかまだ落付かないが幸福も感じているという若い細君ぶりでした。大して話もせず。お母さんはお土産のういろうをおわたしになりました。克ちゃん、あなたへよろしくとくりかえし申して居ました。

桜の花を眺めて往った東海道は、かえりは新緑。名古屋辺まで実に奇麗でした。静岡をすぎるともう瑞々しさが不足でしたが。お母さんも私も、予想よりずっと疲れず東京に着きました。雨が降っていたので傘をもって寿江子と栄さんとが迎えに出ていてくれたのは思いがけぬよろこびでした。省線で目白まで。なかなか御節約でしょう? 東京駅のプラットフォームで、ひさがかえったときいたときには実にがっかりしました。折角、家らしくおもてなししようと思っていたのですもの。しかし、寿江子も、林町のまつも、よく準備していてくれてね。私が手紙で指図しておいた通り四畳半をきちんとして、私たちの貰ったカーペットしいて、あなたの使っていらした四角い机、足を高くするための木の附け足をちゃんととって、テーブルセンターしいて、そこにチューリップの花が活かって居りました。