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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
派出婦も毎日ずっといて貰うほど用はなく使ったひとの話ではまことに負担で、家の中の事もち出されて困るというので、日をきめて一週に二度ぐらい来て貰うようにするかもしれません。どうにかやってゆきますから御安心下さい。そちらに出かける時間午後にしてもいいし、或は又門を外からしめられるようなのにしてもよいと考え中です。どんな家庭だってこんなことはあるのだし、仕方がありません。
八日は、ごたついて、くたびれ、この間から何しろかえるかえるでひさがいても一向落付かなかったので、いよいよ行ってしまってかえってほっとしたところもあるというような工合です。
九日は、『中央公論』の、十枚ばかりの感想をかき(映画の「早春」というのに描かれている女の心持の問題について)、夜、寿江子と日比谷公園を珍しく散歩して、林町へゆきとまり、けさ、寿江子をかり出して、夜着をもってかえりました。『ダイヤモンド』すぐ送り出しましたから。
きょうはすっかり暑く、そちらもむしましょうね。八十度近うございます。
六日は、岩本のおばさま、山崎のおじさま、野原から富ちゃん親子とがお客で無事御法事終った由、お手紙でした。