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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
それから本月私は慰問袋やすみます。林町から二人へ送りましたから。早くあげたかったけれど、と云って居りました。たまには別の人のも又いいでしょうから。隆ちゃん、本はやっぱりすこし荷らしい様子ですね。どんなにしているかしら。もうさむいでしょう。
てっちゃん来。二十四日ごろ久しぶりで会いたいからそちらに行く由です。お天気がよかったら、赤ちゃんをつれてゆくそうです。やっぱり会いたくなると云うことです。それはそうだわ。島田あたりが町になった話したら、ヘエヘエとびっくりでした。あの村もきっとその中でしょう? あなたの方が消息に通じていらっしゃるわけです。
きょうは組合が食塩ナシでした。本年の冬はいろんな大ビルがスティームなしになるかもしれない、なりそうで小ビルはホクホクですって。寒帯劇場になるそうです。そちらと同様の生活ね。面白いものです。新聞に「タバコ店ゆずる」がどっさり出ます。昔はタバコ屋というものは権利を買うのにむずかしかったし、確実な商売とされていたものでした。これも昨今らしい風景。
島田からの手紙(たかちゃん)で、お母さん、この間の十七日には大分楽しくおすごしになった様子です。