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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
三十一日 │ 七・〇〇 │ 九・三〇 │
│起きて床の中│ │
早くねられる日はなるたけ早くねるのが専一と思って先月後半と本月とは随分早い方です。七時間ではおきたときいい心持でないから。当分うんと眠ります。あまり物価の変動が激しいから小遣帖つけて見ようと思ってやって居ますが、なかなかおちてしまう。それでもやはり面白いと思います。ああいい小説が書きたいこと、いいいい小説が。では明朝、まだ来ないのかしら。又ポスト見よう。ではね。
十一月九日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月九日 第一〇四信
遠路をはるばると御苦労様。けさ御到着。返事がすっかりあとからとなりますが、いろいろありがとうね。
体については申しあげたとおり。気力ある人間のかかるべきものでないと私だって思っているから、自分ではそんなこと思っても居りませんし、今だって疲れたら眠ることをモットウにして、それですまして居ります。
詩集のこと、これは私としたら、どうしても又改めて念をおさなければならないところだと思われます。私の詩集は気力を阻害する風の耽溺に導く性質ではないのです。